日本財団 図書館


111-1.gif

 

5.情報提供位置の絶対的なニーズ(必要性)
1)1-1でみてきたように、人間が行動するためにはまず「情報」を得ることが必要である。
2)情報提供する空間的な位置についての絶対的なニーズ(必要性)は、図8に示すとおり、「移動を開始する前のポイント」と考える必要がある。
またそこで示される情報内容は「構内で得られる情報の全て」であることが原則である。
移動開始後に新たな情報提供が行われると、行動を組み立てた設計条件が変更されたことと同様で、必ず“行きつ戻りつ"の動線が発生する。
的確な情報収集は、適正な行動の前提条件である。
3)ターミナル駅利用における行動は、利用者の生活する居室から始まるが、設備計画的な視点に立てば、「駅出入口」と「改札口付近」に特定することができる。
4)情報を得て移動を開始しても、人間は認知した内容を忘れるから、これを移動中間でフォローする必要がある。
通路中間に動線分岐点があれば、それまでの間は不安は起きても迷いようがないのだから、そのポイントで行うのが原則である。
提供位置の選択を利用者の要望に基づいて行おうとすると、要望は多岐に拡がるから、構内中に一貫性のない情報が増え続けることが想定される。

 

111-2.gif

 

この項では、日本建築学会「建築設計資料集成10.サイン」(丸善、1983年)、赤瀬達三「インテリア大事典9-10.サイン」(彰国社.1988年)、赤瀬達三・横田保生「Designing Signs Vol.1公共空間のサイン」(六耀社、1994年)を参照した。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION